ポリマー合成技術

ポリマーは、小さな繰り返し単位から構成される材料の一種です。ポリマーの構成要素や繰り返し単位はモノマーと呼ばれます。重合(ポリマー合成)とは、モノマーが共有結合で連結してポリマー構造を形成する化学反応です。ポリマー鎖の長さは、鎖の中の繰り返し単位の数によって特徴づけられ、重合度(DP:degree of polymerization)と呼ばれます。ポリマー分子量は、繰り返し単位の分子量とDPの積となり、ポリマーに固有の基本的な特性は、主に分子量、構造(直鎖状または分岐状)、DPに依存します。
注目のカテゴリー
重合は、化学反応の種類によって、縮合重合と付加重合の2つのタイプに分類されます。縮合重合または逐次重合では、2つの二官能性または三官能性モノマーの間で縮合反応が起こり、ポリマーが生成され、その際、低分子(多くは水)が反応から脱離します。付加重合または連鎖重合では、ポリマーの成長はポリマー鎖の活性部位にモノマーが反応することによって起こり、各成長ステップの最後に活性部位が再生されます。反応中心を有する開始種を生成するには、開始剤が必要であり、反応中心には、フリーラジカル、カチオン、アニオン、または有機金属錯体などがあります。
ポリマーの特性は、モノマーの種類および合成に用いる重合方法に大きく依存します。リビングラジカル重合は、精密ラジカル重合(CRP:controlled radical polymerization)とも呼ばれ、ポリマーの分子量、分子量分布、機能性、組成をより正確に制御することができます。CRPは、幅広い種類のビニルモノマーを使用して、さまざまな用途に応じた多様な特性を持つポリマーを構築することができます。
3つの基本的なCRP技術があります。
- 原子移動ラジアル重合(ATRP)
- 可逆的付加/開裂連鎖移動(RAFT)重合
- ニトロキシドを介した重合(NMP)
ATRPは、親水性や接着性、またはナノ粒子の機能化などを目的とした表面改質用途に適しています。RAFTやATRPから得られるポリマーは重合後に修飾することができ、薬物送達および組織工学などの生物医学分野において広く使用されています。生物医学的用途向けのブロック共重合体は、一般にRAFTまたはATRPを用いて開発されます。NMPによって開発されたブロック共重合体は、顔料分散、メモリデバイス、複合材料製造に不可欠です。
関連資料
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関連プロトコル
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